2015年6月6日と13日の2回にわたり、福島県郡山市に創設した「プロジェクトD・福島ふれあいの森」において、里親のみなさんが育てた苗木を植える「植樹祭」を開催しました。場所をご提供いただいている福島森林管理署から冨永署長にもご出席いただき、全部で約1,000本の苗木を植えてきましたので、その様子をご報告します。
福島県産のどんぐりを育てているみなさんに苗木を送ってもらうようにお願いしたところ、北は山形県から南は高知県まで多くの方々から続々と苗木が集まりました!!大きさはいろいろですがどれもみなさんの思いがギュッと詰まっています。一本一本にメッセージを書いた札をつけてくれたグループもいらっしゃいました。
【6月6日】
Project-Dで苗木の里親になっていただいた方(自分たちで育てた苗木を、車で持ち込んでくださった方もいらっしゃいました!)のほか、郡山市のお隣、小野町の家族連れのみなさんなど合わせて40人にご参加いただきました。
当日は小雨がぱらつくあいにくの空模様…と思いきや、冨永署長から「恵みの雨です!」というお言葉が。ずっと雨がなくて土が乾ききっていたので、このままだと苗木が根付かないおそれもあったそうです。苗木にとっては絶好の「植樹日和」だったんですね。
植樹の指導をしてくださるのは、「NPO法人小野自然倶楽部」の村上さん他3名の方々。いずれも森づくりの大ベテランです。なるべく深く掘ること、苗木の根元をしっかり踏み固めて水がたまりやすいようにすることなどを、実演を交えて教えてもらった後、いよいよ作業開始です。
雨のおかげで土が軟らかくなっており、子どもでも小さなスコップで穴を掘ることができて、作業は順調に進みました。掘ったところからミミズが出てきて大騒ぎする子もいましたが、自然倶楽部の方から「ミミズがいる土はいい土だよ」と聞いて、ちゃんと土に返してあげていました。
みんなのがんばりのおかげで、1時間ちょっとで予定していたエリアの植樹が全て終了。全部で約500本を植えたことになります。お疲れさまでした!
午後は「プロジェクトD・福島ふれあいの森」に設置する看板をみんなで作りました。小野自然倶楽部さんに準備していただいたきれいな一枚板に、子どもたちが一人一文字ずつ丁寧に書き込んでいきます。どんな看板ができあがるか、楽しみですね!!
【6月13日】
前回とはうってかわって上天気、熱中症への注意が必要なくらいの陽気となりました。今回の参加者は26名、前回同様里親の方々にも多数ご参加いただきました。バスを降りてから植樹地までは急な山道を登って行くのですが、その途中にクワの実がたくさんなっているのを発見!甘酸っぱい自然の恵みをおいしくいただきました。
現地に着くと、まずは苗木を植える場所に目印の竹の棒を打ち込むところから作業開始。1.8mの間隔を空けながら、掛矢(かけや)と呼ばれる大きなハンマーのような道具で次々に打っていきます。
続いておなじみ、小野自然倶楽部の村上さんから植え方の実演です。乾いている表面の土を取り除いてから、穴を深く掘るようにとの指導をいただきました。やってみると、表面はさらさらなのに、深く掘ると湿り気のある土が顔を出します。土の中に残っている雑草の根っこは、水気を保つスポンジのような働きをするので植えた苗木の根元に置くように、というお話に、参加者一同「へぇ~!」と納得でした。
前回より参加者人数は少なかったのですが、体力に自信のある(!?)若者が多かったためか、1時間足らずで約500本を植えることができました。暑い中、みなさんお疲れさまでした!!
お昼ごはんは、前回と同じくこの地域のブランド豚「麓山高原豚(はやまこうげんとん)」のバーベキュー。お釜で炊いたご飯と豚汁も用意していただき、贅沢なランチタイムになりました!!豚汁は、仕上げにごま油を入れるのがこの地方の特徴なんだそうですよ。
食事の後はもうひとがんばり、看板作りの続きです。全体の大きな看板のほかに、参加者それぞれが名前やメッセージを書いた名札を作ります。思いのこもった名札がいっぱいできました。そして、みんなの協力で大きな看板も無事完成。どんぐり君やこどもエコクラブのマスコット「エコまる」が描かれた楽しいものになりました。看板とみなさんの名札は、後日小野自然倶楽部のみなさんと一緒に現地に設置しに行ってきます!!
おかげさまで、2回の植樹祭を盛会のうちに終えることができました。ご参加くださったみなさま、そして2年を超える長期間にわたって苗木を育ててくださった里親のみなさま、本当にありがとうございました。また、企画・準備の段階から多大なご協力をいただきました福島森林管理署、NPO法人小野自然倶楽部のみなさまに心より御礼申し上げます。
プロジェクトでは当初、津波で失われた海岸林の再生のために育てた苗木を植樹する計画でしたが、沿岸部の復興が予想以上に遅れており、本格的な植樹が始まるのは早くても来年度以降になる見込みです。最初の年に配布したどんぐりは既に大きく育ち、これ以上植樹を遅らせると苗木の輸送が困難になること、また被災地の子どもたちに野外で元気に活動する機会を提供することも、復興を支援する意義深い取り組みであることから、今回は内陸部の郡山での植樹となりました。
「プロジェクトD・福島ふれあいの森」での活動はまだ始まったばかりです。これからも、みなさんが育てた苗木を植えていくとともに、植えた苗木が元気に育つように下草刈りなどの手入れも行っていく予定です。みなさんのご参加をお待ちしています!!