Project-Dはこの4月から、同じように被災地の緑化に取り組む団体「東日本大震災緑化支援100万本植樹」とともに、宮城県東松島市にある海岸防災林の再生活動に取り組むことになりました。津波の被害を受けた同市浜市地区の国有林約47haを復旧する大規模プロジェクト。今回はそのうちの約5haで森づくりを行う団体の募集があり、私たちは0.63haの割り当てを受けました。
47haの内の0.63haというとほんのわずかのように思えますが、全部で3,000本近くの苗木を植えなければなりません。「100万本植樹」のボランティアのみなさんやProject-Dで募集した人たち、そして地元に人たちにも呼びかけて、3回に分けて実施した活動の様子をご報告します。
【4月9日、10日】
まずは千葉県山武市にある「100万本植樹」の育苗センターから運んできた苗木を現地に降ろします。今回植える苗木は、全国の里親さんが育ててくれたコナラ、クヌギ、シラカシといったどんぐりのほか、ヤブツバキ、タブノキなどの常緑広葉樹など。海に近い側には、クロマツも植えます。
植樹するエリアは、防風柵で20m×10mの小区画に分けられています。厳しい海風から苗木を守るための工夫ですね。一つの区画に約80本の苗木を植えることにして、次は植穴をあける作業です。等間隔になるように印をつけたところで今回の新兵器、エンジン付き穴あけ機が登場!!自慢のパワーでどんどん穴をあけていきます。地面がかなり固く穴あけに苦労しそうだと思っていたので、これにはかなり助けられました!(^^)!
穴があいたところから早速植樹開始です。今回はコナラ・クヌギといった落葉広葉樹と、タブノキを中心に植えました。まだまだ先は長いですが、まずまず順調なスタートといえそうです。
【4月16日】
今回の植樹地のお隣は、航空自衛隊の松島基地。「100万本植樹」さんの呼びかけで、隊員とそのご家族総勢60名以上の方々がご参加くださり、とても賑やかな活動になりました。人数が多いので、クロマツチームと広葉樹チームに分け、それを更に①植える場所に印をつける班、②穴をあける班、③苗木を植える班に分けて作業を行うようにお願いしたところ、さっと二つに分かれて全員がきびきびと動き始めました。他の参加者は自衛隊のみなさんの動きのよさに「さすが…」と感心することしきりでした。
もちろん、Project-Dから参加されたみなさんも負けずに働いてくださいました。はるばる和歌山県から参加してくださったこどもエコクラブの代表サポーターの方は、自衛隊から参加されたお子さんと仲良くなって一緒に木を植えてくださいました。また、ウェブサイトのボランティア募集を見て参加してくださった学生さんたちも、作業の要領を一生懸命聞いて、一本一本丁寧に植えてくれました。しっかり踏み固めて、根元の周りを盛り上げるのがコツですね!
おかげさまでこの日一日でかなりはかどり、クロマツは全て終了、広葉樹も8割がた植え終わりました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました!!
【4月23日、24日】
今回は、千葉県白井市からこどもエコクラブのご家族が参加。Project-Dで育てた苗木30本を直接持ってきてくださいました。あと一息、がんばって植えましょう!植えた後には目印として、自分の名前を書いた札を打ち込みます。これで、10年後、20年後に訪れた時にも自分の木を見分けることができますね(^_^)
この日はこのほかにも大事な仕事が二つ。まずは植樹地の看板設置です。風が強いので、倒れないように深く穴を掘りました。少し傾いているような気がしなくもないですが…(笑)、プロジェクトの活動と同じく右肩上がりということでオッケーでしょう!
そしてもう一つは、皇居で採取した種から育てた苗木の植樹です。海岸防災林への記念植樹用として、林野庁が2年前に配布した種子を「100万本植樹」さんが大切に育ててきました。タブノキ、エノキ、スダジイ、アカガシの4種類を1本ずつ並べて植え、周りをレンギョウで囲んで保護しました。厳しい環境ですが、無事に大きくなりますように!
24日はいよいよ最後の仕上げ。みんなで一区画に植樹し、残った苗木を防風柵の側に一列に植えていきます。植栽した苗木が枯れてしまった場合は、この列の苗木を代わりに植えることになります。
これで全ての苗木の植樹が完了!がんばったみなさんで記念撮影です♫
おかげさまで、東松島市での植樹活動を無事に終えることができました。参加してくださったみなさま、そして2年を超える長期間にわたって苗木を育ててくださった里親のみなさま、本当にありがとうございました。また、共同実施者として企画・準備をほぼ一手に引き受け、当日も精力的に活動してくださった「東日本大震災緑化支援100万本植樹」のみなさまに心より御礼申し上げます。
「こどもエコクラブの森」での活動はこれからが大切になります。災害から人々の暮らしを守ろとともに、みなさまの憩いの場にもなるような森をめざして、植えた木が元気に育つように下草刈りなどの手入れを行っていく必要があります。息の長い活動になりますので、ぜひみなさんもご支援・ご参加ください。お待ちしています!!